涙する一杯…


おはようございます。名古屋 池下の「世界一ローマを愛する男」スッシー です。

この数日は汗ばむ位の陽気でしたね。

こんな時は「シュワっと」スパークリングでも飲みたい物で(^^)

そんな昨日 私にとって非常に心揺さぶられる事がありました。

ランチに「ガス入りの水」を御注文されたお客様がいらっしゃったのですが…

私 イタリアにいる時はガス入りの水ばかり飲んでいました。

オリーブオイルたっぷりの料理などを洗い流してくれるのに「ガス入りの水」っていいんですよね…

更に私が良くやっていたのが「安い調理用のワインをガス入りの水で割る」ということです。

自慢にもなりませんが ローマで働いていた時 毎日飲みながら働いていたのですが、さすがにワインをがぶ飲みしていては働けなくなりますし、「その飲むワインどこから持ってくるんだ?」って話しですが、賄いの時に他のイタリア人が余り物のワインをガス入りの水で飲み出して「えっなんで折角のワインを水で割るんだ?」と聞くと「こうやって飲むとスッキリして飲みやすくなるんだ」と言っていましたが、当たり前ですが 決して美味しい物ではありません。

当初は「え〜何がいいねん こんなモン…」と思っていましたが、厨房にあるワインと言えば調理用の安いワイン… 自分が勝手に飲めるのはこれだけでした、安いワインなので当然美味しくなくて 逆にこのガス入りの水で割った方が飲めるという事が分かり まして季節は丁度今くらいで暑くなってきた所だったので シュワシュワしてるし軽いし酔っ払わないので まさに仕事しながら飲むには最適でした。

因みにこの割って飲む飲み方を「Frizzantino」(フリッザンティーノ)言います。

以来 毎日 飲みながら仕事するようになり 当然ながら 調理酒の減り方が異常になりました。

割って飲むので 白より赤の方が好きで赤ばっかり無くなりますし、もう公然秘密というかみんな知ってるので「おい お前の水は何でいっつも色がついてるんだ?」とよく笑い合ってました。

私の楽しいイタリアでの思い出が詰まったローマ、そしてイタリア人の友達…

後ろの壁にその時住んでいた街の写真を飾っているのですが それを見て本当に「涙」が出てきました。

自分でも まさか賄いを食べていて こんな安っすい飲物で涙を流すとは思いませんでした…

しかし この時の自分にはどんな高級ワインより心を揺さぶられるワインでした。

「人の心を揺さぶる」というのは正にこういう事を言うのだろうな… と思いました。

ただ単に「美味しい」「高い」ではなく 「如何に自分の心にリンク」するか…

私は モチロンそれなりに食材、材料にはこだわっておりますが「メチャクチャ高級食材」は使っておりません。

モチロン いい食材は高いですし、美味しいです。

しかし 自分の中で「気軽に楽しんで頂ける店」をコンセプトにしているので 超高級食材は使えません。

それでも「人の心に残る」料理は作れると思います。

そして私「スッシー 」という唯一無二の「エッセンス」があります。

これからも「人の心に残る」料理をそして店になりたいと思います。